自己・企業分析:【MCCスタッフが送る】本当のキャリアの話をしよう。vol.03 就職活動で求められる「アピール」の本質を見失い、後悔してしまった就活生Aさんの話

就職活動はクリスマスが過ぎると一時休戦になる。年明けまで、来るべき就職戦線に備えて英気を養うのが良いだろう。この時期に学生と話すと、ここまで就職活動をやってみて、「面接」というものをどのように攻略すれば良いのか悩んでいるようだ。
完全無欠の攻略方法など存在しないが、重要な要素である「アピール」について、今回は考えてみたいと思う。
まず、一般化されたアピールの定義を見てみよう。

「なんらかの特徴を(特に良点)外部に示す、コミュニケーション行為のこと。面接や、販売で見られる行為である。」(参照:wikipedia「アピール」)

就活生はこの意味を考える必要があるだろう。私が接した学生の多くが、この意味合いを勘違いしているケースが多いように思う。では、とある学生の事例を紹介しよう。

◆脚色したアピールで内定を得た結果、後悔してしまった就活生Aさんの場合
特に目立った活動を行ってこなかったため、就職活動を前にして焦る。試行錯誤の末に、6日間の海外ボランティアに参加。そこで、リーダーシップを発揮しようと試みるも、既定のプログラム通りに活動が遂行されたため、特に際立った成果を残せずに帰国。
切羽詰ったため、面接ではその海外ボランティアを大きく脚色して伝える。結果、有名企業に入社するも、現在の仕事の意義に疑問を持つ。現在は転職活動中。

こうしたケースは非常に多い。簡単に言えば、就職活動を目前にして「ハリボテのエピソード」を捻出してしまうケースだ。しかも、そのような行為に及ぶ学生は、往々にして行動力が無いため取り立てて成果を上げられない。結果として、大きく脚色されたエピソードを伝えるのだ。

就職活動で頻繁に言われるのが、「選考において 0 を 10 として伝えるのはNGだが、1を10にするのはOK」だ。これは完全に詐称するための言い訳に過ぎない。0から10だろうが、1から10だろうが、嘘は嘘である。
仮に嘘のエピソードで、彼らにとっての「就職戦線」(もっと言えば、就活ゲーム)は乗り切ることができるかもしれない。しかし、上記の就活生Aさんのように、結果的にどうしてもミスマッチが生じてしまうのだ。

◆就職活動で求められる、本当の「アピール」とは?
話を戻そう。
就職活動において「アピール」とは、どのように捉えれば良いのか。間違っても、Aさんのように「虚偽」「誇張」「脚色」などではないと考える。
こうした「脚色」などは、一般的に言われる「華やかな成果」を多くの就活生が目指そうとするから起こってしまうのだ。この「華やかな成果」とは「学生時代にサークルのリーダーを務めた」といったような経験のことである。

そもそも、そうした「華やかな成果」をいくつも所持している就活生など極めて稀だ。誰もが名を知る大手企業や外資系企業に勤めている社会人も、大学時代は平凡な学生だったケースがほとんどなのである。

私の就活支援の経験から見えてきたのは、一般的な「華やかな成果」に目を向けることではなく、自分自身にしっかりと目を向けることの重要性だ。
平凡な学生が、大手企業や外資系企業に入社できるのは、自分をしっかりと見つめ、その「価値観・特性・能力」を的確にアピール出来ているからなのだ。

これらをまとめて、本コラムでは就職活動における「アピール」を以下のようなものと定義したい。

「面接やエントリーシートにおいて、自分の価値観・特性・能力を浮き彫りにし、論理的かつ合理的にそれらが企業自体や仕事とマッチングしているか伝えるもの」

このように考えることが出来れば、就職活動を取り組む方向性が明確に見えてくるのではないだろうか。即席のエピソードを作るための活動や、エピソードを脚色することに時間に費やすことがいかに無意味か理解してもらえると思う。

だが、以上のようなことを学生に伝えても、なかなか理解してもらえないことが多い。それはそうだろう。彼らにとって、まだ見ぬ「就職」とは、あたかも「人生のゴール」のように感じられてしまうからだ。

たとえ嘘をついてでも内定を獲得したい気持ちは理解できる。
しかし、一足先に社会を経験した者からアドバイスさせてもらうと、就職活動は「人生の通過点」にしか過ぎない。社会人としてのスタートを間違えると、その後のキャリア、ひいては人生の方向性を見失いかねない。
ぜひ、この「アピール」の本質を理解し、それを意識して就職活動に取り組んでみて欲しい。そうすれば、その就活生にとってベストなキャリアをスタートさせることができるだろう。

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